経済産業省原子力安全・保安院は26日、東京電力福島第一原子力発電所事故と、広島に投下された原子爆弾で大気中に放出された放射性物質の種類別の量をまとめた資料を公表した。単純計算すると、原発事故の放出量はセシウム137が原爆の168.5倍、ヨウ素131が2.5倍にあたる。
資料は、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会の求めに応じ作成。今年6月に保安院が公表した福島第一原発事故の炉心解析による試算値と、2000年に国連科学委員会がまとめた広島原爆の試算値を放射性物質ごとに一覧にした。半減期が約30年と長いセシウム137で比べると、原発事故が1万5千テラベクレル(テラは1兆)、原爆が89テラベクレル。放射能汚染がそれだけ長期化する可能性を示している。
保安院は「原爆は熱線、爆風、中性子線による影響があり、原発事故とは性質が大きく違う。影響を放出量で単純に比較するのは合理的でない」としている。
2011年8月27日
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201108260665.html
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