津波がれきが「いかだ」に、海洋生物が集団移動 米研究
2017年9月29日 13:14 発信地:マイアミ/米国
【9月29日 AFP】2011年の東日本大震災による津波でながされたがれきが「いかだ」のような役割を果たし、その後数百種類の水生生物がそれに乗って海を渡り、米国に移動しているとの研究結果が28日、発表された。
米科学誌サイエンス(
)に掲載された研究論文によると、2012年から2017年にかけて米国に流れ着いた津波のがれきを調べたところ、確認された生物種は合計289種に上ったという。
確認された生物種は二枚貝、ぜん虫、甲殻類、ウミウシなどで、3分の2近くが過去に一度も米西海岸で確認されたことがない生物だった。
論文の共同執筆者で、米スミソニアン環境研究センター(
)の海洋生物学者のグレッグ・ルイズ( )氏は「これらの沿岸生物の大半が長期間海上で生き延びるのは不可能と考えていた」と話す。
「だが、いろいろな点で、これまではその機会があまりなかっただけ。現在では、プラスチックが津波や暴風雨などと結びつくことで、こうした機会が少なくない可能性がある」
生物が付着した津波がれきには、ブイ、枠箱、船や浮桟橋などの一部分などが含まれており、2012年ごろから米ハワイ(
)州や北米西部の海岸に到着し始めた。
がれきの漂着は減少傾向にあるが完全には止まっていない。2017年の調査期間終了時にもまだ新たな生物種が見つかることがあったと、研究チームは述べている。
日本から流れ着くがれきは、腐食分解しないプラスチックや、グラスファイバーなど耐久性のある素材でできているものが大半を占めていた。
このような小型海洋生物の集団移動をめぐっては今後、さらに頻繁に起きることが予想されると、専門家らは指摘する。
2015年にサイエンス誌に掲載された論文では、毎年1000万トン以上のプラスチック廃棄物が海に流出しており、この数字が2025年までに10倍に増加する恐れがあるとされていた。
新たに確認された生物種のうち、西海岸でコロニーを形成したことが判明しているものは現時点ではまだない。
新たな漂着生物が在来種に何らかの影響を及ぼすかどうかについてもまだ明らかになっていない。こうした影響の評価には数年を要する場合が多いためだ。(c)AFP
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日本の沿岸性海洋生物300種近くが生きたまま米国に 東日本大震災の津波で漂流
東日本大震災から6年経った現在も、津波による漂流物が生きた沿岸性海洋生物を乗せ、太平洋を渡って北米やハワイに漂着し続けているそうだ(ウィリアムズ大学のニュース記事、The Washington Postの記事、The Vergeの記事、論文アブストラクト)。
米ウィリアムズ大学の海洋生物学者を中心とした研究チームでは、ハワイとアラスカ、米西海岸のボランティアでネットワークを作り、2012年以降に漂着した600個の漂着物を調査。その結果、日本の沿岸性海洋生物16門289種が生きた状態で確認されたという。
2012年に米国・オレゴン州の海岸へ漂着した浮桟橋では日本沿岸の海洋生物が生きたまま確認されているが、これまで沿岸性海洋生物は外洋で2年以上生存できないと考えられていた。しかし、津波の漂流物にはプラスチックなど生分解されない素材のものも多く、沿岸性海洋生物の長期生存が可能になっているようだ。
世界200か国近くで毎年1,000万トン以上のプラスチックごみが海に流されており、津波に限らず台風やハリケーンなどで外洋に出ることもある。現在のところ米国に流れ着いた日本の沿岸性海洋生物が在来種を脅かしているという証拠はないが、問題ないとするのは早計だと研究者は述べているとのことだ。
米ウィリアムズ大学の海洋生物学者を中心とした研究チームでは、ハワイとアラスカ、米西海岸のボランティアでネットワークを作り、2012年以降に漂着した600個の漂着物を調査。その結果、日本の沿岸性海洋生物16門289種が生きた状態で確認されたという。
2012年に米国・オレゴン州の海岸へ漂着した浮桟橋では日本沿岸の海洋生物が生きたまま確認されているが、これまで沿岸性海洋生物は外洋で2年以上生存できないと考えられていた。しかし、津波の漂流物にはプラスチックなど生分解されない素材のものも多く、沿岸性海洋生物の長期生存が可能になっているようだ。
世界200か国近くで毎年1,000万トン以上のプラスチックごみが海に流されており、津波に限らず台風やハリケーンなどで外洋に出ることもある。現在のところ米国に流れ着いた日本の沿岸性海洋生物が在来種を脅かしているという証拠はないが、問題ないとするのは早計だと研究者は述べているとのことだ。
http://www.afpbb.com/articles/-/3144869?cx_position=10
http://www.zaikei.co.jp/article/20171001/402952.html
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