2016年10月30日日曜日

カナダ市民が日本大使館前で抗議アクション 原発避難者住宅支援打ち切り反対


 10月13日午後、カナダの首都オタワにある在カナダ日本大使館前で、カナダ市民約350人による、東電福島第一原発事故による放射能汚染からの避難者に連帯し、来年3月末に予定される避難者への住宅支援打ち切りに抗議するアクションがあった。主催者はモントリオールFRAPRU(都市再開発における民衆行動戦線)で、この夏の世界社会フォーラムで、住宅・土地部門を担当した団体の一つだ。この部門で、福島からの避難者が日本の現状を話したことから、フォーラム最終日に住宅・土地部門全体として、福島の避難者と連帯することを決定したが、それを実際の行動に表したのが、このアクションだった。
 この日は、今、エクアドルのキトで開催されている、世界住宅フォーラムに合わせて、ケベック州各地のFRAPRUとそれに連携する住民団体が首都オタワに集まり、カナダ首相仮官邸(官邸は修理中)前で、“健康的な、まともな住宅に住むのは人間の基本的な権利である。そのためには低家賃の社会住宅、協同組合型の住宅に対する予算を大幅に増額せよ”という要求を掲げて行動する日であった。
 モントリオールからは、地区ごと、団体ごとに分乗した貸し切りバス5台で、片道2時間かかるオタワに出かけた。仮官邸前で、賑やかな鳴り物入りアピールを45分くらいした後、そこから2km程離れた所にある日本大使館まで、デモをしながら歩き、大使館前の抗議行動に移った。首相仮官邸前では門のかなり近く、警備員と鼻突き合わせるような位置まで、人が溢れての行動に何の文句もなかったのに、大使館前では、何故か警官が門の前の歩道に来てはいけないと言うので、交通止めになった車道に街宣車を止めて、その周りと反対側の歩道に広がっての抗議行動になった。
 まず、歩道の柵いっぱいに、FRAPRUがカラーコピーして用意してくれた仏語、英語、日本語の“放射能汚染地から住民を避難させよ”というビラを張り巡らした。それから、FRAPRUの人が5年半前の原発事故で、放射能汚染から避難した人々のこと、今、日本政府が避難者への帰還政策を強力に打ち出し、住宅支援を切ることで、帰らざるを得ない人を出そうとしていること、被災地の多くが、普通に人が生活して良い放射線レベルではないことを分かりやすく話した。これは後で説明するが、主に抗議行動参加者に向けた説明だ。
 次に日本の「脱被ばく実現ネット」からのメッセージを仏語と英語に訳したものを日本人参加者二人が読み上げた。最後に皆で、FRAPRUが準備した仏語のコールを何回も唱和した。そのいくつかを日本語に訳しておく。“戻るな、福島!守れ、住む場所!”“避難者に必要なのは、屋根と健康!”“福島に帰すことは死を意味するんだ、殺人なんだ”“日本でも、カナダでも、住む場所、持つのは、人間の権利!”“団、団、団、団結!世界中の住宅難民!”。原発事故被災者に対する日本の政策が外からどう見られているかが分かると思う。
 言っておかなければいけないことは、この350人の抗議行動参加者の中で、始めから、福島の状況を正しく把握していたのはFRAPRUの人たちや、そこからの説明を受けた、連携団体のリーダーたち、夏の世界フォーラムに出席した人等、ほんの一部だったことだ。しかし、団体ごとに乗った貸し切りバスの中や、出発前に各リーダーが、日本大使館前で抗議行動をする理由を説明したことと、大使館前でFRAPRUの人が2011年の原発事故のことから始まる丁寧な説明をしてくれたことで、強い関心を示し、私たちが持って行ったポスターを読んだり、道行く人に配るつもりで持って行ったビラを貰いに来る人たちもいた。
 私といっしょに歩道柵のビラ張りをした青年は、日本は2020年のオリンピックを止めるべきだ。原発事故から目を逸らすために使われているのじゃないかと話しかけてきたから、もちろん、その通りだと話した。「あなた達は私たちと同じ問題のために闘っているんだね」と、わざわざ、他の日本人参加者に言いに来てくれた人もいたそうだ。私にも「あなた達がまた、抗議行動をする時には私も出るよ」と、これは日本に滞在した経験のある、片言の日本語も話す人が言ってくれた。
 平日の、一日がかりの活動だったために、参加した日本人は私も含めて、たった3人だったのがとても残念だった。カナダの一般の人に少しずつでも、福島の現状を知ってもらい、関心を持ってもらうために、何より良い機会だった。それにしても、“住宅のことで大変な問題を抱えている”という、その一点だけで、FRAPRUが殆ど強引とも言える方法で、350人もの人を動員した抗議行動を日本大使館前で展開してくれた動員力と、コールの言葉から、ビラのコピーまで、準備万端整えてくれた行動力に、只々感心し、深く感謝する。また、一言の反対もなく、気持ちよくいっしょに行動してくれた、他団体の人や参加者全員にも心から感謝したい。

http://www.labornetjp.org/news/2016/1013ca/

2016年10月8日土曜日

思惑と願望が一致した犯罪:<避難解除>南相馬6例目1万967人対象






政府は、2016年7月12日午前0時に福島県南相馬市の一部に出している避難指示を解除。対象は同市小高区全域、原町区南部などの住民1万967人(3516世帯)。解除は福島県葛尾、川内両村などに続き6例目。
 解除エリアは避難指示解除準備、居住制限の両区域。帰還困難区域(1世帯2人)は含まない。市は今年4月の解除を目標に掲げていたが、除染廃棄物の処理が遅れたことなどから3カ月程度ずれ込んだ。
 域内では昨年8月から準備宿泊が行われており、今月5日現在で2004人(691世帯)が登録している。市は「年度内に3000人」(桜井勝延市長)を目標に住民帰還を後押ししていく。
 
 福島県内では6町村で住民避難が続く。
このうち飯舘村は帰還困難区域を除き、17年3月末に全域で解除する方針を固めている。浪江町は17年3月以降、富岡町は同4月以降の帰還開始が目標。大熊、双葉両町と、川俣町が8月末の目標を撤回した同町山木屋地区は、いずれも解除時期が定まっていない。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160712_61014.html

2016年5月31日火曜日

1ベクレルでも危険 「それを安全だと思ってはいけないのです。」 改訂






会場から:
先生が先ほどいわれた「栃木県塩原市の野菜が危ない」って言われましたけれど、
実は私は10ベクレル宣言というか10ベクレル以下は食べれると思っていまして、
自分たちで野菜をつくって測っているんですよ。
そうすると、2~3ベクレル、10っていうのはあんまりないんですね。
ですから、さっきの発言だけ取り消していただきたいと思います。


小出裕章:
はい、もちろんみなさんご存じだと思いますけれども、放射能はむしろ消えていないのです。
福島の事故が起きて以降ずーっと消えていませんし、
今でも、塩原だとしても、土地の汚染は残っています。
それとどうやって戦えばいいのか?って言う事ですけれども、
「放射能と戦ったって勝てません」
「放射能は無敵です」
私たちがどんなに煮ようと焼こうと叩こうと、放射能を消すことなんてできないですし、
放射能と戦う事は全く無意味です。

その私たちがもし戦うとすれば、国です。行政です。
子どもたちを被曝させないで済むようにどうやって彼らを動かすことが出来るか、という事が
いま私たちに課せられている仕事だと思います。

今、野菜が1kgあたり、10ベクレルか、数ベクレルとおっしゃったでしょうか、
それがみなさんは大したことが無いと思われるんでしょうか?

日本の国は1kgあたり100ベクレル以下は全部安全だと言っているわけだし、
ほとんどの市町村も国の基準より下回っていて安全だと言ってしまっているわけですけれども、

放射能はどんなに微量でも危険なのです。
1kgあたり100ベクレルはもちろん危険だし、
50ベクレルだって危険だし、10ベクレルだって危険なのです。
福島第一原発の事故の前に日本の食べ物がどれだけ汚れていたかと言えば、
たとえばお米の場合は1kgあたり0.1ベクレルしか汚れていませんでした。
もし、いま1kg当たり10ベクレルのお米があるとすれば、
すでに100倍汚れている。

それを安全だと思ってはいけないのです、本当は。

ただし…ですけれども、……
人々は恐怖を持続することが出来ないのです。
何とか忘れたいんです。安全だと思いたいのです。
「本当は危険があったって安全だと思いたい」それが人間という生き物だと思います。
皆さんの周りに住んでいる人もみんなそうですし、
行政を担っている人も、みんなそう思いたいという思惑で動いているわけで、

「これが危険だ」という発言をすれば周りから煙たがれ、嫌がれる。
「お前黙れ」と場合によっては怒られるかもしれない。
でも危険なのは本当なのです。

それをやはり言わなければいけないと思うし、
さっきから私は何度も聞いていただいていますけれども、
「子どもたちは、やっぱり守る」という事を大人の責任でやりたいと思いますので、
周りからどんなふうに嫌がられても、事実というものをきちっと周辺に知らせる。
そして説得しながら、少なくても子どもが生活する場所からは放射能をどけるとか、
子どもには出来る限り汚染の少ない食べ物を与えるとか、
そういう仕組みをとにかく作らなければいけないと思うのです。

とても難しいです。
わたしは本当に非力でそんな事も出来ないできたわけですし、
今の国家、あるいは行政の仕組みというものを見ていると、
本当に壁が厚過ぎて何にも出来ないという事を日々痛感していますけれども、でも、
やりたいとおもいます。
みなさんも諦めずに、出来ることを一つ一つずつでもやっていただければと思います。

http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2403.html 

2016年5月18日水曜日

もんじゅ:日本だけが高速増殖炉を手放そうとしない理由

<小出裕章さんに聞く>

高速増殖炉を世界で日本だけが

手放そうとしない理由1 米露英仏は撤退

ラジオフォーラムの収録で語る小出裕章さん
ラジオフォーラムの収録で語る小出裕章さん
原子力規制委員会は15年末、高速増殖炉「もんじゅ」の運営主体を変更するよう文部科学省に勧告した。多くの国はすでに、原子炉のエネルギー源であるウランを増殖させるための高速増殖炉の建設を断念しているのが現状だ。この問題について、元京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さんに聞いた。(ラジオフォーラム)

◆日本だけが手放そうとしない理由

ラジオフォーラム(以下R):昨年11月に、原子力規制委員会が、福井県敦賀市にある高速増殖炉もんじゅの運営主体を日本原子力研究開発機構から変えなさいというふうに、所管する文部科学省に勧告を出したということなのですが、この問題をどうお考えですか。
小出:はい、あまりにも遅すぎたと思います。本当だったらもっと前にこのような勧告を出さなければいけなかったはずだと私は思います。ようやくにしても、出たこと自体はどちらかと言えばいいことだとは思いますけれども、遅すぎたと私は思います。
:こういう勧告を出したことは、今までにあったのですか。
小出:ありません。もともと原子炉というのは設置許可というものを与えるわけですけれども、与えた許可を取り消すという条文が法律にないのです。本当ならば、許可を与えたけれども、この原子炉はダメだからといって取り消すというのが一番真っ当なやり方だと思うのですが、そのような法律的な裏付けがありませんので、仕方がなくて勧告というようなやり方をとったわけです。
:なるほど。少し技術的、科学的なことをお伺いしますが、実は根本的な問題がいくつかあるそうですね….
小出:はい、たくさんあります。もんじゅというのは、高速増殖炉という名前の、現在までは動いていないタイプの原子炉の、そのまた実験的な原子炉です。「高速」という言葉は、高速中性子という、現在の原子力発電所で利用している中性子とは少し違う、スピードの速い中性子を利用しますという意味の高速です。「増殖」というのは、燃えたプルトニウム以上に、もっと多くのプルトニウムが生み出されるという意味で、まさに夢のような話の原子炉なのです。
なぜ、こんな原子炉を造らなければならないかと言うと、現在の原子力発電所で利用しているウランというものは、質量数235というウランを燃やせるだけなのです。ただし、ウラン全体の中で質量数235のウランはわずか数パーセントしかありませんので、現在のような原子力発電をやっている限りは、地球上のウランは簡単に枯渇してしまうということがもう昔からわかっているのです。
ウラン全体の99.3パーセントを質量数238のウランが占めているのですが、それは現在の原子力発電所の原子炉では燃やすことができないのです。それをプルトニウムという物質に変えて、高速増殖炉で燃やすことができるのであれば、原子力の資源の量が60倍に増えると原子力を推進してきた人たちは言ってきました。
仮にそれができたとしても、ようやく化石燃料に匹敵する程度にしかなりませんが、それでも原子力の資源が数十倍には増えるという期待の下で高速増殖炉というものを開発しようということになったのです。
高速増殖炉が開発できなければ、原子力なんていうものは簡単に資源がなくなってしまうということは、原子力開発の一番初めからわかっていたことでした。米国にしてもロシアにしてもイギリスにしてもフランスにしても、何としても高速増殖炉を造りたいと思って開発を始めたのですが、あまりにも難しくて、全ての国が撤退してしまったという原子炉なのです。
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原子力規制委員会は15年末、高速増殖炉「もんじゅ」の運営主体を変更するよう文部科学省に勧告した。多くの国はすでに、原子炉のエネルギー源であるウランを増殖させるための高速増殖炉の建設を断念しているのが現状だ。この問題について、元京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さんに聞いた。連載その2です。(ラジオフォーラム)
小出:未だに高速増殖炉にしがみついているのは日本だけです。中国などの国がやるという話はありますけれども、長い間やり続けてきて、未だに諦めもしないのは日本だけになってしまっています。
:特に、高速増殖炉の冷却剤に使われる液体ナトリウムというのは非常に管理が難しいそうですね。
小出:そうです。ナトリウムというのは、通常の温度ですと銀白色をした固体なのですが、熱をかけていきますと液体になります。それをぐるぐると原子炉の中を回して、炉心を冷却しようという技術なのです。
けれども、ナトリウムというのは水に触れると爆発してしまうのです。空気中に出しておくと、今度は発火して火事になるという厄介な物質でして、例えば大学の研究室、実験室で使う時には、1グラム、あるいはそれ以下のものを使うとなると、かなり注意を払ってやらなければいけないのですが、もんじゅという原子炉では1000トンものナトリウムを液体にして、ぐるぐると原子炉の中を回すというような、途方もない危険を抱えたものなのです。
:このままもんじゅは廃炉ということになっていくでしょうか。
小出:難しいご質問ですけれども、規制委員会が今まで通り、日本原子力研究開発機構に任せてはいけないと、別の組織に任せるしかないという勧告を出したわけです。そうなりますと、文部科学省としては別の研究組織というのをどこからか探してこなければいけないのです。
:どこかにもんじゅを管理する能力を持った組織があるのですか….
小出:そんな組織はないと思います。日本原子力研究開発機構というのは、もともとは日本原子力研究所と動力炉核燃料開発事業団の2頭立ての馬車でこれまで日本の原子力を進めてきたのですが、その2頭立ての馬車のうち、動力炉核燃料開発事業団という組織がもんじゅを運営してきたのです。それがもう全くダメな組織であったがために、初め別々だったものが統合させられて今、日本原子力研究開発機構になったわけです。けれども、これもまたダメだったとなると、恐らくもう他には担える組織が日本にはないという状態だと私は思います。
:では、廃炉にするしかないということですね。
小出:私自身はまた別の力学というのがあると思っています。もんじゅは最後には生き延びると思っています。なぜかと言うと、原子炉というのはもともと核兵器の材料であるプルトニウムを造るための道具だったのですけれども、もんじゅという原子炉を動かすことができると、核分裂性のプルトニウムの割合が98%という超優秀な原爆材料が自動的に手に入るという、そういう原子炉だからです。
それを目指してやってきた人たちというのは、私は必ずいると思います。もんじゅを何としても生き延びさせるために、なにがしかの方策をまた考え出してくるはずだと思います。
http://www.asiapress.org/apn/author/japan/koide-hiroaki-43076/