2014年4月30日水曜日
原発事故は終っていない
例えば、猛烈に汚染してしまったところがあって、人々が追い出されている、そして帰れないのです、これから何十年も。そこの土地が無くなってしまったという状態なんですね。かつて日本は戦争をして負けましたけれども、国家が戦争で負けても土地はあった。ですから、国破れて山河ありだったわけで、人々は生きてこられたわけですが、放射能で汚染されたところは、土地は失われてしまう、誰もそこを使うことができないという、そういう土地になってしまっているわけですね。戦争が起きても生じないような酷い被害が今現在生じている、そしてその周辺に何百万人もの人たちが捨てられて、今現在も被ばくをしながら生活せざるを得ないということになってしまっているわけで、そういう人たちの苦悩、重荷というようなものをどうやって測ることができるのか、金銭的なことも含めて測ることができるのかと考えると、もうどうにもならない酷いことが進行していると思う、私は思うのです。しかし、本当に不思議なことだと思うのですが、政治の場、あるいは経済の場にいるという人たちは、それを感じない人たちばっかりなように思うのですね。新しい原子力規制庁なんてものを作ったということになっていますけど、私から見ると本当にお笑いぐさです。今までの原子力ムラに君臨してきた人たちが、また委員になって、日本には原子力基本法という法律があって、平和利用に限るという文言は付いていますけども、原子力を進めるという法律があるのですんね。そのもとでまた原子力を進めてしまうということにならざるを得ないのです。もう少しまともな人に委員になってほしいと私は思いましたけれども、でも誰がなっても同じです。え~、この国の基本をやはり変えなければいけないということに、もっと多くの人に気が付いて欲しいと思いますし、せめてこれまで原子力の旗を振ってきた人々は、自分の責任というものをもっときちっと自覚して欲しいと、私は思います。
◆変わらぬ原子力ムラ
◆大飯原発
原発全部止まると電気が足りなくなると言って、関西電力の大飯3号機、4号機を再稼働させました。二つ合わせて270万キロワットですけれども、大飯の原発を再稼働させた途端に、関西電力は300万キロワット分の火力発電所を停止した、それだってちゃんと電気は足りる、当たり前なんです。政府の統計データがそれをきちっと立証していて、原子力発電なんてものは即刻止めても電気が足りなくなるなんてことは絶対ないのです。それを東京電力、電力会社あるいは政府がウソを付いて、国民を脅かして、再稼働を認めさせた。まあ、橋下なんてのは始めから期待もしていませんけれども、でも橋下にしたって大阪市市長ですね、今の。それにしたって停電するぞと脅かせられたら屈服して、負けましたとか言ってしまうのですね。まあ本当に情けない人たちだと思いますけれども、電気という、電気が足りるか足りないかという議論である限りは、もう決着が付いています。原子力は要りません。では原子力を止めたら電気代が上がるかと言えば、短期的には私は上がるだろうと思います。なぜなら既に建ててしまった原子力発電所を使わないで、火力発電所を使うしかないのです。火力発電所を使おうと思えば燃料が要りますので、燃料代がかかるだろうと思います。でも、それがいったい何なんだと私は思います。これまでだって、国や電力会社は原子力発電が一番安いとか言ってきましたけれども、それは彼らが都合のいいシナリオを書いて、計算しただけな値であって、先ほども聞いていただいたように、電力会社の実際の経営データを使って計算すれば、原子力は元々から一番高かったのです。だから、そんなものを選択しなければ、日本の電気代はもっともっと安かったし、中小企業の人たちはもっともっと楽に生産活動ができたのです。それを日本の政治、あるいは電力会社が、あまりにも愚かな選択をしたが故に、高い電気代に既になってしまっている、そして挙げ句の果てにこの事故を起こして、いったいどれだけの負担を負わなければいけないのか。東京電力なんていくらやったって簡単に倒産します。結局は今、日本の政府は国のお金を注入してなんてこということををやっているわけですけれども、みんな私たちのお金ですよ。中小企業だって汗水垂らして働いた利益をみんな電力会社の不始末のために奪われていっていると言う、そういうことになっている。そして、これも先ほど聞いていただいたように、自分が始末を出来ないゴミをどんどん作り出して、それを10万年100万年の未来まで、後の世代に押し付けなければ成り立たないという、もういったいいくらお金がかかってしまうのが分からないほど今たまたま私たちの時代の享楽的な生活を支えるために選択しようとしているのですね。どうしてこんな馬鹿げた選択ができるのか私にはさっぱり分からないし、ちょっとぐらい電気代が今短期的に上がりますよというなら、もちろん受け入れるべきだと私は思います。ただ、困る人たちはいるのです。電力会社ですけれども、既に持ってしまった原子力発電を即刻廃絶するのと言うのであれば、すべてが不良資産になりますので、電力会社、まあ日本中の電力会社、沖縄電力はいいですけれども、それ以外の会社はたぶん倒産すると私は思います。でも、仕方がないのです、それは。一刻でも早くやったほうがまだ傷が浅いです。これからやればやるだけ彼らは重荷を背負わなければならないし、その重荷のツケは結局私たち国民が払うのです。今、日本中の電力会社全部倒産させてもいい。それだけの負担を今の世代で引き受けるしかないと思う、のがいいと思います。
◆子どもたちを放射能から守る
放射能相手に戦ったって勝てません。向こうは強いです。いくらやっても消せない、人間が戦っても。逃げるしかないのです。ですから、本当なら日本の法律があるわけで、放射線の管理区域にしなければいけないような地域に人々が住むこと自身がいけないことなわけですから、そういう汚染地帯からすべての人が私は逃げてほしいと思います、子どもも含めて。でも、それができない現実が目の前にありますので、それならどうやったら子どもたちを被ばくから守れるのかということを考えなければいけない。考えることが大人の責任だし、思いついたこと何でもやるべきだと思います。そして、たくさんあります。例えば、子どもには出来る限り汚染の少ない食べものを与えるということはやらなければいけないと思います。でも、今現在日本の国は、それをやろうとしていないのですね。ある基準を決めて、基準以上のものははねるから安心しろ、基準以下のものはもう安心しろと、言ってしまうわけです。今、日本の政府が決めている基準は、1キログラムあたり100ベクレルです、お米でも何でもそうですけれども。じゃあ99ベクレルのものは安全なのかと、90ベクレルのものは安全なのかと言えば、もちろんそんなことは全然ないのです。もともと日本のお米なんていうものは、福島の事故が起きるまでは、1キログラムあたり0.1ベクレルしか汚れていませんでした。それを100まで許すということは1000倍許してしまうことなんですね。そんな食べものを私は子どもに与えていいとは思わないし、何とかそれをやらないで済むようにしたいと思っています。ところが、今、それができないのです。今、例えばここにお米が来る、このお米がいったい1キログラムあたり何ベクレル汚れているのかということを知ることが出来ないのです。私は知れます、測ればいい、私が自分で、測りたければ。でも、私が測れる量なんて知れてるものだし、日本中にいる子どもたちを守ろうとしても、私にはそんな力がないのですね。で、多くの人、地域では、自分たちでそれを測ろうとして、放射能の測定室を作って、やっている人たちがたくさんいます。ありがたいことだと私は思うし、そういう動きが広がっていって、少しでも子どもの被ばくを少なく出来る、少なくするということは、必要なことだと思います。でも、私たちが汚染と呼んでいるものは、もともと東京電力福島第一原子力発電所の原子炉の中にあった放射性物質なんです。もともと東京電力の所有物だったんです。それを東京電力がウソをついて、バラまいて、食べものでも何でも汚れてしまっているわけです。本当であれば、自分の所有物がどこにどれだけ汚染を広げているかということは、東京電力こそがそれを測定して、人々に知らせる責任があるのだと私は思います。
◆メディアと原発
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