2018年9月26日水曜日

東京から100キロの原発が再稼働されようとしている




東海第二「適合」決定 津波被災原発で初 規制委
   

 首都圏唯一の原発で、茨城県東海村にある日本原子力発電(原電)の東海第二原発について、原子力規制委員会は二十六日の定例会合で、原発の新規制基準に「適合」したとする審査書案を議論し、正式決定した。東日本大震災で被災した原発の適合判断は初めて。今後、運転期限四十年となる十一月末までに、二十年の運転延長も認める見通し。再稼働の条件を整えつつあるが、同意が必要な周辺六市村のうち一自治体でも反対すれば運転できない。

 この日の会合では、事務局が七月五日から一カ月間実施した審査書案への意見募集(パブリックコメント)の内容を報告。原発事故を起こし、多額の税金が投入されている東京電力が、原電に資金支援することに疑問視する声など約千二百五十件が寄せられた。

 これを受けて、更田豊志(ふけたとよし)委員長と他の委員四人は審査書案を修正する必要があるかどうかを議論。しかし、字句の微修正で十分として、正式な審査書とすることで一致した。

 審査書によると、原電は津波対策として原発の三方を取り囲む高さ二十メートルの防潮堤を築く。火災対策としては、総延長約千四百キロのケーブルの約四割を燃えにくい素材に交換し、他は防火シートで覆う。規制委はこれらを妥当とした。

 千八百億円に上る対策工事費は、売電先となる東電や東北電力から支援を受けることで調達できるとした原電の手法を容認した。



 規制委は、東海第二の二十年の運転延長の可否と、設備の詳細を定めた工事計画の審査も続けている。いずれも、運転期限の十一月二十七日までに通過する見通しとなっている。

 原電は対策工事が完了する二〇二一年三月以降、周辺六市村と県の同意を得て再稼働を目指す。

 ただし、規制委の審査対象ではない、自治体による避難計画の策定が難航。原発三十キロ圏の住民は全国最多の九十六万人に上る。各自治体が実効性のある計画を作れず、住民の理解を得られなければ、再稼働に反対する可能性がある。

<東海第二原発> 日本原子力発電が1978年11月に営業運転開始。出力は110万キロワットで、電気は東京電力や東北電力に供給してきた。都心に最も近い原発で、都庁までの距離は福島第一からの半分程度の約120キロ。放射能が漏れる重大事故が起きた場合、首都圏全域に甚大な被害を及ぼす可能性がある。東日本大震災時は外部電源を失い、津波の影響で非常用ディーゼル発電機の一部も使えなくなり、残りの発電機で3日半かけて原子炉を冷温停止させた。






http://fkuoka.blog.fc2.com/blog-entry-5.html



                                http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201809/CK2018092602000270.html


20180926現在






「消費税撤廃、大型公共事業中止、反原発」


 9月18日にクアラルンプールで開かれた「電力供給産業会議2018」の講演で、マハティールは「マレーシアは電力確保の手段としては既存の方法を踏襲し、原子力は選択肢にはない」と断言。国策として「反原発」を宣言した。

「平和利用でも戦争使用でも、われわれ(人類)には核物質を利用するに十分な知見を持っていないと考えている」

「講演でも触れていましたが、1986年の旧ソ連(ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故と11年の福島第1原発事故から、マハティールさんは原発の恐ろしさ、リスクを痛感したのです。その答えが反原発への政策転換です」

「5月に92歳でマレーシアのトップに返り咲いたマハティール首相。
就任すると直ちに、選挙で公約に掲げていた物品・サービス税(GST=消費税に相当)6%を撤廃。
さらに、東海岸高速鉄道計画や南部ジョホールバル近郊の大規模都市計画などにメスを入れ、“ムダな公共事業”の中止、見直しに積極的だ。
消費税をゼロにする一方、大型公共事業を見直して、財政を健全化させようとしているわけだ。」

「一方、日本では来年10月から消費税が10%に引き上げられる。高速鉄道といえば、必要性に疑問符がつくリニアも立ち止まることなくドンドン進んでいる。」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/238165/1

広島高等裁判所、伊方原発3号機の運転差し止め決定を取り消し。




上空からみる佐田岬半島。3号機の再稼働が容認された伊方原発(右、3号 機は手前)と、5キロ圏内の集落(左)。真ん中に唯一の国道である197号 線(佐田岬メロディーライン)が走る。伊方町。2015年11月3日
上空からみる佐田岬半島。3号機の再稼働が容認された伊方原発(右、3号機は手前)と、5キロ圏内の集落(左)。真ん中に唯一の国道である197号線(佐田岬メロディーライン)が走る。伊方町。2015年11月3日 Photo by Ryuichi HIROKAWA

信じられない思いだ。10月26日、愛媛県の中村時広知事が伊方原発3号機の再稼働に同意した。伊方原発は、愛媛県の西部から突き出た佐田岬半島の付け根にありこの日本一細長い半島には約1万人が暮らす。もしも原発で事故が起きれば、原発より西に住む人々は原発の前を通って逃げるか、船で逃げるしかない。しかも、道の本数も少ないなか、津波が襲えば海路は絶たれる。それでも県は「複合災害時に想定される孤立集落はゼロ」だという。住民は「逃げられるわけがない」と話した。
話/阿部悦子、草薙順一 写真/広河隆一 まとめ/丸井春(DAYS JAPAN)
Interview with Etsuko ABE, Jyunichi KUSANAGI Photo by Ryuichi HIROKAWA Edit by Haru MARUI /DAYS JAPAN

佐田岬半島危険地図
佐田岬半島危険地図

伊方原発は、日本の原発の中でも最も稼働させてはいけない原発のひとつだ。マグニチュード(M)8クラスの地震を繰り返してきた南海トラフ巨大地震の想定震源域に最も近く、さらに沖合6キロ北(注1)には、四国を東西に横切る国内最大級の活断層・中央構造線断層帯が走る。原発は東西50キロに伸びる佐田岬半島の付け根に、海にせり出す形で立地しているが、地震によって事故が起き、さらに放射能が放出されれば、風向きによっては瀬戸内海、そして西日本全域が壊滅する恐れもある。
中村愛媛県知事が10月26日に再稼働を容認する前、原子力防災会議の議長である安倍首相は「(原発事故を想定した半径30キロ圏内の住民12万4000人の避難計画は)具体的かつ合理的」だと評価したという。しかし、県の避難計画では、原発以西、三方を海に囲まれた佐田岬半島の住民が陸路で避難するためには原発の真横を通らなければならず、複合災害などで道が寸断された場合の策は取られていない。フェリーや船での避難も記載されているが、津波が襲えば海路は瞬時に絶たれるだろう。フェリーに乗り込めなかった場合の策もあいまいなままだ。それでも県はたたみかけるように、複合災害においても、佐田岬半島で孤立が予想される集落はゼロだと断じる。命は守られるのか。

与侈(よぼこり)集落。101世帯が暮らし、海側には漁港をもつ。ここも坂道が多い。愛媛県伊方町与侈。2015年11月2日
与侈(よぼこり)集落。101世帯が暮らし、海側には漁港をもつ。ここも坂道が多い。愛媛県伊方町与侈。2015年11月2日 Photo by Ryuichi HIROKAWA

佐田岬半島

山肌に段々畑が広がり、どこからも海を望むことができる。この細長い半島で、人々は山肌を畑にして果実を育て、海で魚を獲って暮らしてきた。手つかずの自然が豊富に残り、山には固有種の草木も多くあるという。半島全域を含む伊方町の人口は約1万人、そのうち、原発以西には40集落約5000人が暮らす。
「実際に見たら分かるんです、逃げられっこないですよ」。そう話す阿部悦子さんは、今年4月まで4期16年にわたり愛媛県議会議員を務め、伊方原発の危険性、住民避難計画の甘さを指摘し続けてきた。その阿部さんに案内してもらい、いくつかの集落に向かう。伊方町が出している防災マップを見て驚くのは、ほとんどの集落が、県が定める地滑り危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所、土石流危険渓流のすべてまたはいずれかを複数抱え、さらに一時避難場所がその指定区域内に入っていることも珍しくないことだ。
「佐田岬半島は全体が日本三大地滑り地質と言われる三波川変成帯から成っているが、なぜか原発が建っている場所だけは地盤が強固ということになっている」と阿部さんは言う。山を縫うように走る半島唯一の国道197号線にはトンネルが多く、2005年に地滑りによって崩壊したという名取トンネルは今、入り口が塞がれ、蔦に覆われていた。

明神(みょうじん)集落はとても小さな集落だ。30世帯が住むがその80パーセント以上を60歳以上が占める。「ここは車いすも入れない」と阿部さん。民家の庭では草花が丁寧に育てられていた。愛媛県伊方町明神。2015年11月2日
明神(みょうじん)集落はとても小さな集落だ。30世帯が住むがその80パーセント以上を60歳以上が占める。「ここは車いすも入れない」と阿部さん。民家の庭では草花が丁寧に育てられていた。愛媛県伊方町明神。2015年11月2日 Photo by Ryuichi HIROKAWA

半島の中腹に位置する三崎地区(20キロ圏内)は、半島西側の集落の中でもっとも大きく、519世帯が暮らし、保育園や小中学校、高校もある。原発事故時には、半島の人々はこの三崎港からフェリーや県が手配する船舶によって大分に逃げることになっているが、フェリーの定員はせいぜい2 50人程度だ。三崎の人口にも満たない。さらに、伊方町が出している原発事故時の避難行動計画(2013年9月)には、県が船舶を手配できない場合には自家用漁船などで沖合の船舶まで移動するように、とされている。
「県は船で大分に逃げろというけど、ここの風は季節によってはほとんどが東からの風で、逆になるのはまれ。だから逃げろと言われても、風によってはおれたちは放射能と一緒に逃げることになる。原発で事故が起きたら終わりだよ」と、与侈地区(原発から20〜25キロ圏)で、16歳から漁師をしているという60代の男性は話す。内閣府が2002年に出した南海トラフ巨大地震による津波想定高は、佐田岬半島を含む伊方町で最大21メートルである。三崎町の人口が集中する港周辺は完全に浸水する。

集落が抱える危険箇所

この半島の集落の地形は特徴的だ。197号線から細い横道に入ると、山肌に這うような集落が点在するが、小さな集落ほど急峻で、細く入り組んだ坂道や階段ばかりが多い。そこに民家が重なり合うように建つが、家主を失い、今にも崩れ落ちそうに朽ちている民家も少なくない。階段や垣根などは、薄く割れやすい緑色の自然石(緑色片岩)を積み重ねて作られており(8ページ写真参照)、集落のあちこちに、県が設置した「急傾斜地崩壊危険箇所」などの看板が立てられている。世帯数わずか30世帯、60歳以上の人が80パーセントを超える明神(15〜20キロ圏)も、避難場所にもなっている公民館は海沿いで、土砂崩れ危険箇所のすぐ横に建っている。
集落に流れる、のどかでゆったりとした時間。時々出くわす農作業着姿の女性たちは、私たちが道を聞くと、みんなにこにことして親切に教えてくれた。「車はおろか、ここには自転車も車いすも入れないですよ」と阿部さんは言う。この平穏が、自然災害と隣り合わせにあり、さらに原発が動くことによって壊されるのかもしれないと思うと、愕然とした。

松集落で「おしゃべりをしていたところ」という2人の女性。「原発で事故が起きたら逃げられると思いますか?」と阿部さんが聞くと、「今その話をしていたところ。私ら年寄りはどうせ逃げられないんだから」と答えた。愛媛県伊方町。2015年11月2日
松集落で「おしゃべりをしていたところ」という2人の女性。「原発で事故が起きたら逃げられると思いますか?」と阿部さんが聞くと、「今その話をしていたところ。私ら年寄りはどうせ逃げられないんだから」と答えた。愛媛県伊方町。2015年11月2日 Photo by Ryuichi HIROKAWA

高齢者の避難対策、屋内退避後の避難対策は

住民の反対運動を押し切って伊方町で原発建設が着工されたのは1973年。人口はそのころに比べて約3分の1に減った。半島でも過疎化と高齢化は深刻で、20歳以下がゼロという集落もある。10世帯未満の集落は4か所、10〜50世帯の集落は26か所だ。事故時、人々が一斉に避難する中で、要支援者の支援を「誰が」「どのように」するのか。具体的な策はない。
「県は最終的には陸海空の自衛隊を投入し、ヘリを使って人々の救出にあたるともいいますよ。でも、そもそもこんな坂道だらけの小さな集落のどこにヘリを寄せる場所があるんですか。机上の空論です。小さな集落に住んでいる人たちほど言いますよ。逃げられない、無理です、と」(阿部さん)。
細い坂道だらけの集落では、道の1本1本が住民にとっては生死に関わるといえる。事故時には放置された空き家が壊れ、道を塞ぐことも想定される。訪れた松の集落でも、80歳の男性が、「ここにも住んでない家が70ぐらいある」と教えてくれた。対策はあるのか。阿部さんは言う。「再稼動を決めた委員会(エネルギー危機管理特別委員会)で、県は空家対策として、30戸以上の集落に予算を付ける方針だとの説明をしました。でもね、30戸未満の集落なんていくらもあるんです」

あらゆる集落のあちこちに県が設置した危険箇所を示す看板が立つ。愛媛県伊方町明神。2015年11月2日
あらゆる集落のあちこちに県が設置した危険箇所を示す看板が立つ。愛媛県伊方町明神。2015年11月2日 Photo by Ryuichi HIROKAWA

さらに、伊方町の原子力災害時避難行動計画では、原発から5キロ圏外の住民は、原発の状況がA〜Dの4段階のうち、3段階目のCレベル「全面緊急事態段階」になっても、基本的には「屋内退避の指示を実施する」と書かれている。伊方原発をとめる会の草薙順一事務局長は「自宅退避をさせた後、放射能が充満する場所に誰が助けに来られるんですか? 買い物にも行けない、助けも来ない、ライフラインも使えるかどうかわからない。『屋内退避じゃなくて、これは屋内安楽死だよ』と言う人たちもいます」と話す。
さらに同計画には、住民への事故の周知に際して、Cレベルまでは「現在のところ、環境の放射能の影響はありません」とアナウンスし、最悪段階の「運用上の介入レベル事象」になってはじめて「避難の際にはマスクの着用や、ハンカチなどで口を覆うなどしてください」というアナウンスを入れることが明記されている。
これが福島原発事故を経験した日本の安倍首相が「合理的」だと「評価」した避難計画なのだ。

地滑りによってひびが入り、埋められた旧名取トンネル。国道はトンネルが多い。愛媛県伊方町。2015年11月2日
地滑りによってひびが入り、埋められた旧名取トンネル。国道はトンネルが多い。愛媛県伊方町。2015年11月2日 Photo by Ryuichi HIROKAWA

巨大地震への備えは

阿部さんは続ける。「河田恵昭さんという、国の中央防災会議・南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの主査を務めた関西大学の教授が、南海トラフ巨大地震が来たら、四国は全部の火力発電所が津波で被災し、5か月以上停電するという論文を出しています。5か月停電したらどうなるか。非常用外部電源の燃料は10日分しか備蓄がありません。外部電源喪失が原因でメルトダウンした福島の二の舞が伊方原発で起こります。浄水場のポンプも電気を使いますから水も来ない。愛媛県は、南海トラフ巨大地震が起きたときの断水などによる水の被害人口を、約140万人の県民のうち地震直後で110万人、1か月後でも40万人と想定しています。断水などによる避難者は5か月停電を考慮せずに約56万人です」
県は、このような地震時の想定シミュレーションを出しながら、他方で避難計画も曖昧なままに原発の再稼働を容認しているのだ。
加えて、愛媛県の水道管の耐震性は全国で44位、何かあれば破裂することが容易に想定される状況だという。阿部さんは今年3月、県議会の定例会議で、これについて言及し、原発を再稼働するべきではないと述べたが、県の回答は「各家庭においては7日分を目標として飲料水の備蓄に努めるよう県の防災計画に記載いたします」などというものだった。

与侈の集会所(右)とそこに通じる道。近くには土砂崩れ危険箇所もある。愛媛県伊方町。2015年11月2日
与侈の集会所(右)とそこに通じる道。近くには土砂崩れ危険箇所もある。愛媛県伊方町。2015年11月2日 Photo by Ryuichi HIROKAWA

11月2日付の愛媛新聞によると、中村愛媛県知事は当初より「再稼働の是非の最終判断は、防災訓練とリンクしない、と強調」し続けてきたという。再稼働を容認した26日にも「訓練は未来永劫続けるので、(再稼働とは)切り離して考えた」と発言している。
「原発と避難の問題は棄民主義なんです」と草薙さんは言う。「原子力規制委員会では避難の問題は一切審査はしないことになっています。地方、つまり愛媛県に丸投げすると。でも当の愛媛県知事は、再稼働と避難の問題はリンクしないと言う。全員避難させるんだ、ということを念頭に置いていないんです」

与侈の漁港と山肌に建つ民家。愛媛県伊方町。2015年11月2日
与侈の漁港と山肌に建つ民家。愛媛県伊方町。2015年11月2日 Photo by Ryuichi HIROKAWA

県が2012年に実施した原発事故を想定した大規模な避難訓練では、天候が悪く、船やヘリが到着できなかった。先日11月9日の訓練では陸自のヘリが飛ばなかった。草薙さんは言う。「万が一を許さないこと。それが一番大事なんじゃないですか?」この原発を、絶対に動かしてはいけない。

2018年9月25日火曜日

ピカを落とされた地の裁判所、再稼働に賛成。

広島高裁

伊方原発3号機、再稼働可能に 四電異議認める

四国電力伊方原発3号機=愛媛県伊方町で2017年3月、本社ヘリから幾島健太郎撮影
愛媛県の伊方原発

運転差し止めを命じた12月の仮処分決定取り消し

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町、停止中)の運転差し止めを命じた昨年12月の広島高裁仮処分決定(野々上友之裁判長=当時)を巡る異議審で、同高裁(三木昌之裁判長)は25日、四電が申し立てた異議を認め、仮処分決定を取り消した。高裁段階で初めて示された差し止め判断は9カ月で覆り、3号機は法的に再稼働が可能になった。【小山美砂】
 昨年12月13日の広島高裁仮処分決定は、原子力規制委員会の内規を厳格に適用し、原発から半径160キロの範囲にある火山に関しては噴火規模が想定できない場合、過去最大の噴火を想定すべきだと指摘。その上で、伊方原発から約130キロ離れた阿蘇カルデラ(阿蘇山、熊本県)について、9万年前の破局的噴火で火砕流が伊方原発の敷地に到達していた可能性に言及し、「立地として不適」と断じた。ただ、広島地裁で別に審理中の差し止め訴訟で異なる判断がされる場合を考慮し、差し止め期限を今年9月末までとした。
 四電の申し立てによる異議審は2回の審尋が開かれた。四電側は「阿蘇カルデラには大規模なマグマだまりがなく、3号機の運転期間中に破局的噴火を起こす可能性は極めて低い」と強調。さらに「9万年前の噴火でも火砕流は原発の敷地内に到達していない」とした。
 一方、住民側は「火山噴火の長期予測の手法は確立しておらず、破局的噴火が起こる可能性は否定できない」と改めて反論。「四電の実施した調査は不十分で、9万年前の噴火で火砕流が原発に到達していたとみるのが常識的」と訴えた。
 また、仮処分決定が「合理的」とした基準地震動についても争点となり、四電側は「詳細な調査で揺れの特性などを十分把握した」、住民側は「過小評価」と主張した。
 3号機は2015年7月、規制委が震災後に作成した新規制基準による安全審査に合格。16年8月に再稼働し、昨年10月、定期検査のため停止した。四電は今年2月の営業運転再開を目指していたが、運転差し止めの仮処分決定で停止状態が続いている。
 3号機の運転差し止めを求める仮処分は、住民側が10月1日以降の運転停止を求め新たに広島地裁に申し立てている。高松高裁、山口地裁岩国支部、大分地裁でも係争中で、このうち大分地裁は9月28日に決定を出す。

https://mainichi.jp/articles/20180925/k00/00e/040/242000c


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    Hiroshima High Court overturns injunction against Ikata nuke plant reactor restart

    This file photo dated March 28, 2017 shows the No. 3 reactor, center left, of Shikoku Electric Power Co.'s Ikata nuclear power plant in Ikata, Ehime Prefecture. (Mainichi)
    HIROSHIMA -- The Hiroshima High Court ruled on Sept. 25 to allow the restart of the No. 3 reactor at the Ikata nuclear power plant in western Japan's Ehime Prefecture.
    The ruling overturns an injunction the same court issued in December last year ordering the reactor's operations suspended due to the potential impact from future eruptions of the Mt. Aso volcano to the west.
    The court's latest decision accepted a complaint from plant operator Shikoku Electric Power Co. that Mt. Aso, in the southern Japan prefecture of Kumamoto, is unlikely to erupt catastrophically during the operational life of the Ikata plant's No. 3 reactor.
    Residents around the nuclear plant have argued in court that it is not possible to deny that such major eruptions may occur.
    (Japanese original by Misa Koyama, Hiroshima Bureau)

    https://mainichi.jp/english/articles/20180925/p2a/00m/0na/013000c

    2018年9月24日月曜日

    事実を覆い隠しても、あったことを無いことにはできない。










    「1954年3月1日、米国が太平洋のビキニ環礁で行った水爆実験で被曝した第五福竜丸から水揚げされた魚の一部(約2トン)が同月16日築地市場に入荷しました。国と東京都の検査が行われ、放射能汚染が判明した魚(サメ、マグロ)などは消費者の手に渡る前に市場内のこの一角に埋められ廃棄されました。
    全国では850隻余りの漁船から460トン近くの汚染した魚が見つかり、日本中がパニックとなって魚の消費が大きく落ち込みました。築地市場でも「せり」が成立しなくなるなど、市場関係者、漁業関係者も大きな打撃を受けました。
    このような核の被害がふたたび起きないことを願って、全国から10円募金で参加した大勢の子どもたちと共に、この歴史的事実を記録するため、ここにプレートを作りました。」

    ***

    「事件を知らしめる金属プレートが、大江戸線A1出口のすぐ横に佇んでいるだけだ。
    本来、ここにはプレートではなく、「マグロ塚」という石碑が建てられる予定だった。
    しかし都は、再整備の行方がはっきりしていないことを理由に、それを許さなかったという。
    けっきょく、「マグロ塚」は夢の島の第五福竜丸展示館に「仮設置」され、築地市場には、プレートが掲げられた。1999年のことだ。」
    10月6日に閉場する東京都の築地市場。市場解体後はその扱いが決まっていない。


    https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/tsukiji-godzilla

    太陽光発電が、電力供給が需要を上回る。これから、ではなく、もうすでに。



    太陽光発電が多い九州で、電力供給が需要を上回る

    2018年の大型連休に、需要の8割を太陽光発電でまかなう時間帯もあった

    本州に電力を送るなどしても秋は需要が落ち込むため、電気が「余る」

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    「もう太陽光、いりません」九電、連休中8割もカバー、原発再稼働も一因

    暮らしやすい気候を背景に電力需要が落ち込む秋に、電気が「余る」可能性が出ている。太陽光発電が多い九州では、2018年の大型連休には電力需要の8割を太陽光発電でまかなう時間帯もあり、供給が需要を上回る可能性が出てきたためだ。

    そのため、九州電力は18年9月、太陽光発電を行う事業者に稼働停止を求める「出力制御」を行う可能性があるとする「お知らせ」をウェブサイトに掲載した。ただ、九電は原発の再稼働も進めており、これが結果として昼間の「電気余り」を後押ししている。

    九州では太陽光発電の普及が進んでいる

    火力止め、揚水発電使い、本州に送っても「余る」可能性
    送電網では、需要と供給の量をほぼ同じに保つ必要がある。これが崩れると、本来は一定に保つべき周波数が低下し、機器が壊れるのを防ぐために連鎖的に停電が起こる可能性がある。 9月6日未明の地震直後に北海道で起きた大停電がその一例だ。

    日照条件が良い九州では特に太陽光発電の普及が進み、大型連休中の18年5月3日13時には、九電管内の電力需要の約8割を太陽光でまかなった。晴れていて発電量が増えたのに加えて、(1)冷暖房を使わずに済む気候だった(2)工場やオフィスが休みになった、といった事情で需要が落ち込んだことが背景になったとみられる。

    この時は、火力発電の出力を抑えたり、太陽光で発電された電気を使ってダムに水をくみ上げ、夜間に発電する揚水発電を活用したり、「関門連系線」を利用して本州に電力を送ったりして対応してきた。だが、その後も太陽光発電は増え続け、18年秋にはそれだけでは対応できなくなる可能性が出てきた。九電が9月7日に

    「今秋の九州本土における再生可能エネルギー出力制御実施の見通しのお知らせ」
    と題してウェブサイトに掲載した文書では、供給力が需要を上回った場合に、上記の対策を講じた上で

    「それでも供給力が電力需要を上回る場合は、電力の安定供給維持のため、やむを得ず出力制御を行うことになります」
    と説明している。「出力制御」は、壱岐(長崎)や種子島(鹿児島)といった離島では実績があるが、国内では離島以外の本土での実績はない。


    原発を止めるのは最後
    出力制御の順番は「優先給電ルール」で決まっており、(1)火力(2)他地区への送電(3)バイオマス(4)太陽光・風力(5)水力・原子力・地熱、となっている。これは、火力は需要に応じて発電機を動かしたり止めたりしやすく、太陽光・風力は気候や時間帯によって発電量が大きく増減するのに対して、原子力は発電量を短時間で調整することが難しいからだ。

    太陽光発電が需要の8割をまかなった18年5月3日13時時点での需要は、743万キロワットだった。その1か月ほど後の18年6月に玄海原発4号機、8月には定期検査入りしていた川内原発2号機が再稼働し、現時点では九州で原発4基が稼働。出力は4基合わせて約430万キロワットに及ぶ。

    太陽光発電をめぐっては、18年9月12日に開かれた経済産業省の審議会で、電力会社が家庭や事業者から買い取る際の価格を、20年台半ばに現在の半額程度に引き下げる方針が示されている。

    電力会社が買い取った電気の料金は利用者が支払う電気料金に転嫁される。このため、買い取り価格引き下げで利用者の負担は減るが、太陽光発電の普及にはブレーキがかかる可能性がある。

    (J-CASTニュース編集部 工藤博司)

    https://www.j-cast.com/2018/09/24339338.html?p=all