2018年9月11日火曜日

台湾は「原発ゼロ」への歩みを、着実に進めている。


 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権が脱原発政策を加速させ、代替エネルギー開発が本格化し始めている。だが電力確保は綱渡り状態。構想通りに「原発ゼロ」を達成するには課題が残されている。(台北=西本秀、高田正幸)
 ボートの舳先(へさき)に掲げられた旗が、吹き抜ける風にはためく。台湾西部、苗栗県の漁港を出て沖に約3キロ、海上にそびえる二つの風力発電機が迫ってきた。
 海面からの高さは約90メートルあり、回る羽根は長さ約60メートル。独シーメンス社製で、計8メガワットの発電容量がある。発電事業者によると、約8千世帯に電気を供給する発電量が見込まれるという。
 風速10メートル前後の風が継続的に観測される台湾海峡を経済部(経済省)は「風力発電の適地」とみる。この2基はモデル事業として昨年から売電を始めた。
 今後、苗栗のほか沿岸の彰化県などの沖合に計5・5ギガワット分の風力発電海域を民間資本で開発。数百の発電機が林立する規模となる。欧州企業に加え、日本の三菱重工業日立製作所なども参入し、投資額は9625億台湾ドル(約3兆5千億円)を見込む。
 再生エネルギー開発は、2016年の政権交代で発足した民進党の蔡政権の肝いり政策だ。総統選で脱原発を訴えた蔡氏は同年10月、稼働中の各原発を稼働40年で停止し、25年に原発ゼロとする方針を決めた。
https://www.asahi.com/articles/ASL804GW2L80UHBI00P.html?iref=pc_ss_date

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