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▶ 小出裕章:総括原価方式 / 核兵器開発能力保有 -[g-9244UJCjA] - Dailymotion動画
<出演>
京大原子炉実験所の小出裕章氏
立命館大の大島堅一氏
自民党衆議院議員の河野太郎氏
続きを読むに内容書き出しました
玉川:
「そもそも電気料金が何故こういう決め方なのかわからない」
電気料金の決め方ってご存知でしたか?
立花:知らないです。
玉川:赤江さん
赤江:いや、知らないです。いわれるがまま。
玉川:考えもしてなかった、私もね。
羽鳥:毎月自然に上がる時ありますもんね。なんでかってに上がるんだ?っていう…。
玉川:
その辺も含めてなんですけれども、
ちょっといろいろと奇妙なんですね、調べてみると。
今日はそのテーマでいきたいんですが、
世界の電気料金、これ家庭用ですけれども見てみましょう。
日本は先進国の中では高い方に入っています。
たとえば、アメリカに比べると倍なんですね
で、「これは何故か?」っていう部分もちょっとこれからかかわってくるんですけれども、
まずですね、総括原価方式。
これが電気料金を決める元になってるんです。
聞いたことないですよね。
「これっていったい何なんだ」
「なぜ奇妙なのか」
ーVTRー
玉川:
電気力金を決める総括原価方式っていうのがですね、
どうも奇妙な決め方になっているというふうなことなんですが、
これ、どういうふなものなんですか?
大島:
電気事業者の利益というのが施設の資産の量にある一定の率をかけて、
これを事業報酬率と言いますけれども、
報酬率、今は3%なんですけれども
これで計算したものが利益になるというものなんですね。
玉川:何が不思議なんですか?
大島:
それはですね、
施設を持っていれば持っているほど利益が上がるという仕組みになっているということです
玉川:
同じ電気を生むのに、
Aというやり方だったら1兆円かかり
Bというやり方であれば5000億円というのであれば
1兆円の方が利益があがっちゃうという事ですね。
大島:施設の価値が高ければ高いほど報酬が上がりますから、そのように言う事が出来ますね。
玉川:
そうするとたとえば、原子力と作るのと火力で作るのとでは、
施設費はやっぱり原子力の方が高くなるのですか?
大島:
固定施設部分は大きいですね。
燃料費という部分では火力の方が大きい。
だけど原子力は固定施設部分が大きいので、そういう意味では原子力は利益を生む。
玉川:
電力会社としてはなるべく高い施設を作った方が利益が大きくて、
結果として電気代も高くなるわけですよね。
大島:ま、そうですね
玉川:我々にとって、それ、よくない事ですよね。
大島:
以前の事業報酬の考え方は
「電気事業者の利益を保証してやることが公益性が高いので必要なんだ」
という議論から出来ているものですけど、
今となっては、本当に3%という高率の利益があらかじめ保証されているというのは、
一般的な常識からすれば「何なんだ」というふうに言われてもおかしくはないですよね。
ースタジオー
玉川:
これですね、たとえば同じ電気を作るのに、安い発電所で作るのと高い発電所で作る場合に、
高い発電所で作った方が電力会社の利益になるという
後でもう一回ちゃんとやりますけれども、
羽鳥:だから原発をどんどんどんどん作ってきたという事なんですか?
玉川:
そういうふうに思うでしょ?
で、その部分についても、小出先生。
また新しく本を出しましたけれども、
この本の中にもコストの事は書いてありますけれども
小出先生はこれについて何とおっしゃるか。で、VTR
ーVTRー
玉川:
総括原価方式なんですけれども
これはどういう役割があったと先生は思われますか
小出:
電力会社の試算に比例するという形で利潤が決められたが為に
電力会社としては資産を持てば持つだけ利潤が膨れ上がるという、そういう構造だったわけです。
原子力発電所というのは1基造れば何千億円という資産になりますので、
造ってしまえばもうそれだけ比例計算で利潤が懐に入るという、
もうとてつもないうまい方式で電力会社が優遇されてきてしまったのですね。
玉川:同じ電気を作るのでも、たとえば火力発電所よりも原発の方が高い訳ですよね?
小出:高いです、高い。
玉川:ということは、「高い施設を造った方が儲けになる」という事ですか?
小出:そうです、そうです。
玉川:そしたらやっぱり、高い方高い方っていきますよね。
小出:そうやってきてしまったわけですね、今日まで。
玉川:
という事は逆に言うと総括原価方式があったから、
利益を出す、民間企業ですから、
利益を出すために原発をいっぱい造ったという側面もあるんですかね?
小出:
そうです。
そのように、逆な言い方をすれば「国が誘導してきた」という事なんですね。
原子力発電所を電力会社にやらせるために。
ースタジオー
赤江:えーっ
羽鳥:ひどいですね
玉川:
これ、総括原価方式ってみなさんちょっとモヤモヤするでしょ?
ちょっと説明しますね。
ここが違う利益の出し方。
まずですね、一般企業は売り上げがあります。
売り上げがあってこの売り上げの中身はどういうものがあるか?というと、
コストと利益に分かれるわけですね。
普通の企業であれば、利益を大きくするためにはどうしたらいいですか?
コストを下げる、
だからみんなコストを「下げる下げる」と言って頑張っているわけです。
そうしないと利益が上がらない。
じゃぁ
電力会社はどうなっているのか。
まずコストがあるでしょ。このコストは何か?
中身は「適正な原価」
どういうこと?
人件費、燃料費、修繕費など。
これが「適正かどうか」というのを審査してもらうんです。
だから、人件費。
たとえば今回ね、東京電力の社長とか役員が半分にします、役員報酬。
半分にしたらいくらになったか。3000万。
もと、7000万かよって話ですよね
それが適正かどうかも全部電力会社は決めてもらっているわけです。
で、これがまず適正な原価。
で、利益ってどうやって決めるのか?
利益はこことはまた違うんです。
ここと別に「レートベース」
ようするに、利益を考えるための「ベース」があるんですね。
ベースってなんだって言うと、中身は固定資産、核燃料なんです。
だから、どれくらいの金額の発電所を持っているかとか、
どれくらいの核燃料を持っているかというのを元にしてこれに約3%をかける
この3%をかけた分が利益として計上されるわけです。
で、原価と利益を合わせてこれが電気料金。
あとはこれを単価で割って私達が一生懸命払っているんです。
松尾:安全対策はどっちに含まれるんですか?レートベース?適正な原価のほう?
玉川:こっちです。適正な原価。
松尾:
そっちに含まれているというのはすごく問題ですよね。
つまり、特定固定資産と核燃料と安全対策にかけるお金というのが右側(レートベース)にあったら、
ひょっとしたら問題はもう少し小さかったかもしれないですね。
玉川:
ここのからくりはですね
さっきからVTRにあるように、この報酬を大きくするためにはどうしたらいいですか?
羽鳥:コストかければいいって事ですよね
玉川:
そうなんですよ。
だから、このコストがいっぱいあるほど利益が増えるようになっているんです。
赤江:これで民間企業って言えるんですか?
玉川:
これでも一応民間企業なんですけど、
全く逆の考え方になっているんですね。
松尾:商売敵がいないですからね
玉川:
だからさっき言ったように、
火力発電所よりも原子力発電所の方が高いということになれば
それがいっぱいあった方が利益が増えるんですよ。
羽鳥:
その原子力発電所を作ることに賛同を得るために
「発電コストは安いんだ」というのを言い続けてきたという事ですか。
玉川:
まぁ、さっきの話にかかわる話ではそうですね。
だからここね、二つ問題があって、
利益を出すためにはいっぱい高いものを持っていた方がいいという、
普通と逆のことが起きているということと、
それから、適正な原価。
本当に適正なのかどうか
普通はここは競争で決まるわけですよね、どんどん安くしようと。
でも、ここは競争がないから「言い値」になるわけです。
そうすると、たとえば電力会社が力を持っているのは「言い値」」で買う訳ですよ
そうすると買ってもらう方からするとものすごくいいお客さんになる訳で、
これで「支配力がある」っていうふうに古賀さんなんかももおっしゃっているのですね
羽鳥:こちらは買わざるを得ないですもの。だって、電気使わなきゃならないから。
玉川:
ま、顧客のほうはね、電気を使う方は。
これ以外にもまだおかしな点があるというふうなことで大島先生です。
ーVTRー
大島:
もう一つ不思議なのは、施設とともに事業報酬を計算する時には
資産の中に、レートベースというんですけど、
その中に使用済み核燃料が入っているということです。
玉川:燃料というかゴミですよね?それ。
大島:
一般的にはゴミです。
だから、使用済み燃料をレートベースに入れるということには批判があります。
やっぱり「それは使用済み核燃料であって資産ではない」と。
玉川:当然ですよね、ゴミだから。
大島:
でしょ。
でもあれ、資産扱いされているんです。
レートベースの中に含まれている。
だから、「使用済み燃料を持てば持つ程、利益が出てくる」ことになる。
玉川:それはなんでですか?
大島:
笑)だからそれはおかしいです。
あの、合理的な説明が付かないのです。
「使用済み燃料ってなんで資産扱いされているか」というと、
「再処理をするので将来の資産だ」と。
玉川:燃料
大島:
燃料。資産なんだと。
だからレートベースに入れるんだという説明ですけど、
それは・・さすがにちょっと・・・あの、あまりにも・・ちょっとおかしいんですよ。
ースタジオー
羽鳥:うーーん
玉川:
これね、さっき、
利益を計算する元になるベースの中に、
「核燃料どのくらい持っているか」っていうのも入ってるって話しましたよね。
これは、「これから使う燃料だけじゃなくって、使い終わった燃料もここに入っている」んですよ。
羽鳥:じゃ、どんどん増えていきますね、利益は。
玉川;
増えるんです。どんどん どんどん増える
だからその、「原発がいっぱいあると利益が増える」という事だけじゃなくて、
いっぱいあれば、使用済み核燃料もどんどん増えてきますね。
それを持っていれば持っている程また利益が増えるんです。
松尾:再処理に明るい未来があれば、まだ考え方が分からないでもないですがね。
玉川:
たしかに。
再処理をするという前提に立てば、
「またこれも燃料になりますよ」という話しは分からないではないんですが、今現在止まってますから。
羽鳥:そういうからくりで電気代が上がっていってるんですね。
玉川:
そうですよ。
こうやってどんどん大きくして、
もちろんこれ(レートベース)も元にお金はかかるわけですが
ここ(適正な原価)を大きくして報酬が高くなれば高くなるほど電気料金は高くなるわけですから。
羽鳥:こうやって決まってるんですよ、くるみさん、電気代。
立花:
えーっ、もう、すごい。
なんか・・・すごいですよね。
国が電力会社とタック組んで、
国がそうやって原発を推進する代わりに、電力会社が儲かる仕組みっていうか、
なんか、共犯じゃないけど、
なんか国ぐるみで電力会社巻き込んでみたいな・・・
で、わたしたちが何も分からないところで話しをどんどん進めちゃってて。
玉川:
そう。
「まさに一体になって進めてきた」というのがここからも分かるんですね。
じゃぁ、総括原価方式ってやめられないんですか?今までも含めてね。
羽鳥:そうですね。
玉川:それを今までずっと進めてきたのが自民党だったので、河野さんにお話しをうかがっています。
ーVTRー
玉川:そもそも総括原価方式っていうのは止めることはできないんですか?
河野:
総括原価方式というのはむしろ、止めなければならないものの一つだと思っています。
今日本の電気料金が高いのは、一つは地域独占。
東京電力の管内は東京電力からしか買えない。
「値段が高かろうがなんだろうが東京電力からしか買えません」ということと、
もう一つは発電と送電を東京電力が両方持っているので、
他から、なかなか託送して電力を送ることが出来ない。
それから3番目がこの総括原価方式という、国家社会主義みたいな値決めになっている。
この3つをやめれば日本の電気料金というのは、きちんと市場原理で決まってきますから、
今よりもはるかに安くなってくると思います。
玉川:今まで止めた方がいいという話しは出なかったんですか?
河野:
あの、ようするに、この3つを守るために、
一生懸命、自民党に献金し、民主党には労働組合が票を選挙で稼ぎ、
天下りを経産省から受け入れ、マスコミはお金を出して黙らせ、
という事をやってきたわけですから。
もちろん今までも「総括原価方式はおかしい」と。
これがあるから原子力のような、巨大な投資を必要とするものが、
むしろ好まれて入ってくるという議論はありましたけれども
それを止めようという声は、実はその利権の構造の中で、どんどん薄められてきてしまった
というのが現実だと思います。
玉川:
そこを突破するには非常に大きな力が必要になると思うんですけれども、
それは、今の民主党、今の自民党できますか?
河野:
やっぱり次の「総選挙で総括原価方式なんてバカなものは法律を改正してやめます」と。
「電力業界を電力業界を普通の一般の業界に変えていきます」ということを、
やはり、政党として訴えていかなきゃダメだと思いますね。
ースタジオー
羽鳥:うーん・・・
赤江:いやぁー・・・
玉川:
これね、3本セットなんですよ。
おっしゃってたように、地域独占、発送電一体、それから総括原価方式。
これは絶対に譲れない部分。
多分今でもそうです。
今でもそうだから、ものすごい巻き返しに今出ているわけですね。
羽鳥:日々使っている電気なのに知らないことが沢山ありましたね。
赤江:とてつもないからくりだったっていう感じですね。
玉川:
で、結局、国としては何としても原子力発電所を増やしたかったわけですね。
もちろんそのためには民間企業にやっていただくわけですから、国としては。
民間企業がそれを進める飴というか、そういうものがないと進んでいかない訳で。
羽鳥:利益は保証しますよってことだったんですね。
玉川:
それもあるし、
それから、「原子力発電が増えると利益が増えますよ」という総括原価方式も
そのアクセルになってきたという事は間違いないんですね。
で、なぜじゃあ、そこまでして国は原子力発電をすすめたかったのか?という部分になるんですが、
これにはいろいろな見方があります。
そのなかで、小出さんがこんな話しをされています・
ーVTRー
小出:
原子力というものは私からみると核と同じものなんですね。
日本人が言う「核」と同じものです
つまり、軍事利用と切っても切り離せない技術なのであって、
国家としてはそのことを初めから知っていて、
「原子力の平和利用だ」と標榜しながらも
「核兵器を開発する能力という技術的能力を保有し続けたい」という思惑が
私は国にはずーっとあったと思います。
いずれにしても日本の国というのは原子力をやると決めたのですね。
やると決めた以上は民間企業を巻き込まないとできなかった訳で、
そのためには電力会社にうまみを与えなければいけない。
その一つが総括原価方式で原発を誘導するという事だった。
ースタジオー
羽鳥:これは福島の人が聞いたらどう思うんでしょうね。
玉川:
どう思うでしょうね。
ま、小出さんの見方は一つの見方ですけれども、
結構今日の新聞なんかでもね、朝日新聞なんか同じようなことを書いていますが、
ま、そういう風な見方っていうものは全然荒唐無稽な話ではないと。
羽鳥:この方式というのは昔から言われていたんですか?
松尾:原発の運動をしている人の本なんかには昔から書かれていましたけど。
羽鳥:おかしいと
松尾:あんまりそれが一般に広まる、知られるっていう事がなかったですよね。
羽鳥:それは何で広まらなかったんですか?
松尾:やっぱりさっき小出さんがおっしゃっていたようなことも原因しているんじゃないですかね。
玉川:
ま、ガス料金なんかも総括原価方式で、
電力料金だけがこうだって事でもないんですけれども、
やっぱりこの方式というのはいろんな副産物とか別な意味もあったんじゃないかというのは
まあ、間違いないと思いますね。
赤江:
これをやめて一般企業みたいな形式にすると
また、全然違う方向に進むと、玉川さん思われますか?
玉川:
多分そうです。
先週やった発送電分離をやって、競争が始まって、
競争をするという事になると、やっぱりこの方式じゃダメになってくると思いますね。
やっぱり、コストを減らして料金を下げるという競争がはじまりますから、
そうすると当然コレ崩れていくんで。
で、河野議員もおっしゃってましたけれども、「3つ一緒に変えないとやっぱり効果は薄いだろうね」と。
3つ一緒に変えればいろんな産業も進んでいくし、
それに、電気料金ももっと安くなってくるんじゃないかという事です。
立花:
こういう思惑があるんだったら、本当に原発っているのかなって思いますよね。
日本って世界で唯一平和的にも軍事的にも核の被害者じゃないですか。
それなのに一方では「核兵器を開発する技術を持っていたい」みたいなこと言って、
なんか、なんていうんだろう・・・きたない。みたいな。随分
玉川:
ま、その辺は、軍事的な側面というのは安全保障的な問題で、
あの、それも一つの戦略なんだろうなと思うんですけれども。
ただ、電気料金とそれは関係ないのでね。
それはそれでちゃんと、正々堂々と議論してやればいいだけの話だと私は思うんですけどね。
羽鳥:
今後選挙のこととか考えると、
議員の方が積極的に変える方向に行くのかなと思うとかなり疑問なところもあります。
玉川:
ぼくは、さっき言った3本セットを含めた電力改革というのはひとつの踏み絵になると思うんです。
一体それをやるのかやらないのかという事は、
改革を進めるのか進めないのかという事とほぼ同義だと思っていいと思います。
松尾:これも争点になったとしてもどこに入れたらいいかっていうね、
羽鳥:うーん
玉川:なるほど
羽鳥:だってね、民主党も自民党もそれぞれの立場で、これをどこまで反対するかって事ですよね。
玉川:
ただ民主党は、一応、総理大臣が脱原発って言ってるんですけどね。
みなさん忘れているかもしれないけれど・・
松尾:「私的な意見でした」なんてことをちょっと言ってあいまいになっちゃったじゃないですか。
玉川:あんなこと言っちゃダメですよ。
立花:ね。がっがり発言ね。あれね・・
羽鳥:
いやぁ、でも、こういうからくりがね、
電気料金に原発と関係が密接だったというのが、
ちょっと、なかなか知らなかったですね。はい。
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