中国電力は22日、建設中の島根原発3号機(松江市、出力137万3千キロワット)の稼働に向けた事前了解を立地自治体に申し入れた。東日本大震災時に建設中だった原発が、稼働に向けた手続きに入るのは、Jパワー(電源開発)の大間原発青森県大間町)に次ぎ2例目。島根3号機はほぼ完成しているため、一連の手続きしだいでは、震災後初の新設原発になる可能性がある。
 今回の手続きは、原子力規制委員会に安全性の適合審査を申請するための事前了解を求めるもの。稼働に向けた一連の手続きの最初となる。島根原発は国内で唯一、都道府県庁所在地にあり、原子炉東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型の改良型炉だ。
 中国電の清水希茂(まれしげ)社長は22日午前、立地する松江市を訪れた。「(電気の)安定供給や二酸化炭素削減、電気料金の安定化のために必要な電源だ。安全対策を徹底し、説明をしっかりしていきたい」と述べて書類を提出。松浦正敬市長は「議会などの意見もうかがい、対応する」と応じた。清水社長は島根県庁にも赴いて同様の申し入れをした。溝口善兵衛知事は「周辺自治体にもよく説明することが大事だ」と話した。
 県と市は、中国電の安全協定に基づく手続きを受け、それぞれの議会に諮るなどして回答する。自治体の了解が得られれば、中国電は早期に規制委に島根3号機の安全性審査を申請する考えだ。
 ログイン前の続き3号機は大震災時にほぼ工事を終え、2012年3月の営業運転開始を見込んでいたが、延期した経緯がある。
 Jパワーの大間原発は4割もできておらず、建設にはまだ5年程度かかる。島根3号機は逆に、すでに規制委の審査を終えた同型炉の東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の事例をふまえ、安全対策工事を先回りして進めている。工事は19年4~9月に完了する予定だ。一連の手続きが進めば19年度末にも稼働する可能性がある。
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