2016年10月30日日曜日

国際エネルギー機関が水力、風力、太陽光などが2021年までに欧米の全電力需要を満たせると発表

       

原発を存続させたままの「再生可能エネルギー」は、

核政策を維持させる道具。


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5年後、再生可能エネルギーは「欧米の全需要」を満たす:IEA報告書

国際エネルギー機関(IEA)は、再生可能エネルギーの発電量は2021年までに、米国と欧州の需要をすべて満たせるほど成長するという報告書を発表した。
国際エネルギー機関(IEA)は以前、2015年には再生可能エネルギーによる発電設備の総容量が初めて石炭を上回り、再生可能エネルギーにとって画期的な年になったという報告書を発表した。さらに最新の報告書では、米国と欧州では2021年までに、再生可能エネルギーで需要をすべて満たせる量を発電できると予測されている。
2015年の時点では、世界全体の再生可能エネルギーによる発電量に占める割合は、水力発電が依然として最も大きく、70パーセント強だった。一方、風力は15パーセントで、太陽光は4パーセントだった。
2015年には、再生可能エネルギーの容量が世界全体で153GW(ギガワット)増え、2014年と比べると15パーセント増加した。増加分のうち、風力は66GW、太陽光は49GWで、新規導入された再生可能エネルギーのうち75パーセントが太陽光か風力だったことになる(残りは主に水力とバイオマス)。
ただし、2015年に増加した153ギガワットという再生可能エネルギーの発電容量が、そのまますべて発電量になるわけではない。立地のいい再生可能エネルギーの発電施設であっても、設備利用率は30パーセントをやや上回る程度だからだ。つまり、実際の発電量は、潜在的な容量の3分の1にとどまる。従って現在は、再生可能エネルギーの実際の発電量より石炭の発電量のほうが大きい。
しかし、特に欧米市場においては石炭火力の容量は減ってきており、再生可能エネルギーや天然ガスのコストは下がっている。この傾向が続けば、再生エネルギーが石炭による発電量を追い抜く日は早まるだろう。
IEAによる今回の2021年予測には、このことが反映されている。IEAは今回、2021年までの再生可能エネルギーの成長を、2014年時点での予測値を13パーセント上回る値として見積もった。その理由としては、各国の積極的な政策はもちろん、コストの継続的な低下も大きい。風力は2桁台前半の低下が見込まれ、太陽光のコストも25パーセント減になると予想されている。
その結果、2021年までにエネルギー事情は一変すると予測されている。2021年には、再生可能エネルギーによる発電量の3分の1近くを風力と太陽光が占め、水力の割合は60パーセント未満になる見通しだ。
再生可能エネルギーによる発電総容量は、2021年には7,600テラワット時に達すると予測されている。これは、現在米国と欧州で発電されている総量に匹敵する規模である。
IEAは、再生可能エネルギー施設導入の中心になるのは、米国、欧州、中国、インドの4地域になると予想している。ただし、中国とインドでは電力需要も急増するため、2021年までに再生可能エネルギーによる発電だけで需要を満たすことはできない。
一方で米国と欧州では、需要の増加はあるものの、再生可能エネルギーによる追加分が必要となる発電量増加分を上回る見通しだという
http://wired.jp/2016/10/28/renewable-capacity-europe/

台湾が2025年までに原発ゼロを閣議決定


 「原発ゼロを目指すに当たっての問いは、『再生エネで原発を置き換えることが出来るかどうか』というものではない。放射性廃棄物の問題を子孫に残さないために、どのような政策が必要なのかということこそを考えるべきなのだ」

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台湾が原発全廃へ 福島第一事故受け、25年までに停止
 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権が2025年に「原発ゼロ」にすることを決め、行政院(内閣)は、再生エネルギー事業への民間参画を促す電気事業法の改正案を閣議決定した。太陽光と風力発電を中心に再生エネの割合を20%まで高めることを目指す。東日本大震災後の反原発の民意を受けたもので、改正案は近く立法院(国会)で審議に入り、年内の可決を目指す。
 世界的にはドイツが2022年までの原発全廃を決めるなど、欧州を中心に脱原発の動きがある。一方、増える電力需要に応えるため中国やインドが原発を増設させており、アジアでは台湾の取り組みは珍しい。
 改正案は20日に閣議決定され、6~9年かけて発送電分離も行う。蔡総統は「改正は原発ゼロを進め、電源構成を転換する決意を示すもの」としている。
 台湾では原発が発電容量の14・1%(15年)を占め、現在は第一~第三原発で計3基が稼働中。だが、東京電力福島第一原発の事故で台湾でも反原発の世論が高まり、原発ゼロを公約に5月に就任した蔡氏が政策のかじを切った。台湾も日本と同様に地震が多い。稼働中の全原発は25年までに40年の稼働期間満了となる。同法改正案では25年までに全原発停止と明記し、期間延長の道を閉ざす。

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台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権が「原発ゼロ」にかじを切った。全原発が稼働を終え原発ゼロとなるまでの時間は9年しかなく、電力の安定供給や計画の現実性への疑問もある。それでも、東日本大震災を機に高まった反原発の世論を背に、政権をあげて推進する構えだ。
 
 台湾の第一、第二原発は人口密集地ログイン前の続きの台湾北部にあり、台北中心部から20キロほどの距離にある。近くに第四原発の建設も進んでいたが、福島第一原発事故で安全性への不安が高まり、反対運動が激化。第四原発の稼働を目指していた馬英九(マーインチウ)・前政権は2014年に凍結決定に追い込まれた。
 原発ゼロへの課題は多い。馬政権当時は稼働予定だった第四原発の発電量だけに限っても、再生エネで補うのは困難、との見方を示していた。第一原発1号機、第二原発2号機が不具合で停止する中、冷房の電力需要で電力がひっぱくする事態も生じている。
 当局は太陽光発電の拡大で25年までの投資額が1兆2千億台湾ドル(約4兆円)となり、10万人の就業機会を創出すると見込むが、基本的には民間頼みだ。発電事業を手がける中興電工機械の江義福会長は「消費者の省エネの取り組み、企業の意欲、当局の優遇策があって初めて実現可能性が出てくる」と話す。
 工業界からは「電力を自由化すれば電気料金が上がり、経営負担になるのでは」との不安の声も出ており、台湾企業の競争力を守るためにも電気料金の高騰を抑えることも必要だ。
 (台北=鵜飼啓)
 ■東日本大震災機に民意が転換 李世光・経済相に聞く
 台湾で電力問題を所管する李世光・経済部長(経済相)に原発ゼロを目指す背景などを聞いた。
 ――なぜ原発ゼロを目指すのですか
 「原発をめぐる台湾の民意は東日本大震災を機に大きな転換があった。政権交代での最大の変化は、25年までに既存の原発をすべて停止させる一方で再生エネルギーを推進し、原発ゼロとすることを明確な目標に掲げたことだ」
 「政権としての政策を明確にすることで、関係省庁が関連の政策を推進することができる。政策に揺るぎがないということが分かれば投資も生まれ、大きな変化につながる」
 ――時間が迫っています
 「政策をはっきり打ち出す前は、全体の14%を占める原発の発電量をどう補うのかとか、電源の安定性はどうかといった議論が出て『再生エネへの転換は難しい』となってしまっていた。放射性廃棄物の処理問題も『そのうち考えよう』と先送りしていた。こうした考えこそが再生エネの『敵』なのだ」
 ――どう変えますか
 「太陽光発電は技術的にも成熟してきた。パネルは生産過剰で価格が下がっており、台湾には逆にチャンスだ。台湾海峡は強い季節風が吹き、風力も有望だ。ただ、台湾には自己技術がない。日本との協力にも期待している」
 「再生エネは安定したベースロード電源とは言えないが、違う種類の再生エネを組み合わせることでベースロード電源に近いものにし、蓄電や節電にも力を入れていく」
 ――現実的な目標ですか
 「原発ゼロを目指すに当たっての問いは、『再生エネで原発を置き換えることが出来るかどうか』というものではない。放射性廃棄物の問題を子孫に残さないために、どのような政策が必要なのかということこそを考えるべきなのだ」
 (聞き手・鵜飼啓)

http://www.asahi.com/articles/ASJBQ5Q7SJBQUHBI014.html
http://digital.asahi.com/articles/photo/AS20161023000190.html

カナダ市民が日本大使館前で抗議アクション 原発避難者住宅支援打ち切り反対


 10月13日午後、カナダの首都オタワにある在カナダ日本大使館前で、カナダ市民約350人による、東電福島第一原発事故による放射能汚染からの避難者に連帯し、来年3月末に予定される避難者への住宅支援打ち切りに抗議するアクションがあった。主催者はモントリオールFRAPRU(都市再開発における民衆行動戦線)で、この夏の世界社会フォーラムで、住宅・土地部門を担当した団体の一つだ。この部門で、福島からの避難者が日本の現状を話したことから、フォーラム最終日に住宅・土地部門全体として、福島の避難者と連帯することを決定したが、それを実際の行動に表したのが、このアクションだった。
 この日は、今、エクアドルのキトで開催されている、世界住宅フォーラムに合わせて、ケベック州各地のFRAPRUとそれに連携する住民団体が首都オタワに集まり、カナダ首相仮官邸(官邸は修理中)前で、“健康的な、まともな住宅に住むのは人間の基本的な権利である。そのためには低家賃の社会住宅、協同組合型の住宅に対する予算を大幅に増額せよ”という要求を掲げて行動する日であった。
 モントリオールからは、地区ごと、団体ごとに分乗した貸し切りバス5台で、片道2時間かかるオタワに出かけた。仮官邸前で、賑やかな鳴り物入りアピールを45分くらいした後、そこから2km程離れた所にある日本大使館まで、デモをしながら歩き、大使館前の抗議行動に移った。首相仮官邸前では門のかなり近く、警備員と鼻突き合わせるような位置まで、人が溢れての行動に何の文句もなかったのに、大使館前では、何故か警官が門の前の歩道に来てはいけないと言うので、交通止めになった車道に街宣車を止めて、その周りと反対側の歩道に広がっての抗議行動になった。
 まず、歩道の柵いっぱいに、FRAPRUがカラーコピーして用意してくれた仏語、英語、日本語の“放射能汚染地から住民を避難させよ”というビラを張り巡らした。それから、FRAPRUの人が5年半前の原発事故で、放射能汚染から避難した人々のこと、今、日本政府が避難者への帰還政策を強力に打ち出し、住宅支援を切ることで、帰らざるを得ない人を出そうとしていること、被災地の多くが、普通に人が生活して良い放射線レベルではないことを分かりやすく話した。これは後で説明するが、主に抗議行動参加者に向けた説明だ。
 次に日本の「脱被ばく実現ネット」からのメッセージを仏語と英語に訳したものを日本人参加者二人が読み上げた。最後に皆で、FRAPRUが準備した仏語のコールを何回も唱和した。そのいくつかを日本語に訳しておく。“戻るな、福島!守れ、住む場所!”“避難者に必要なのは、屋根と健康!”“福島に帰すことは死を意味するんだ、殺人なんだ”“日本でも、カナダでも、住む場所、持つのは、人間の権利!”“団、団、団、団結!世界中の住宅難民!”。原発事故被災者に対する日本の政策が外からどう見られているかが分かると思う。
 言っておかなければいけないことは、この350人の抗議行動参加者の中で、始めから、福島の状況を正しく把握していたのはFRAPRUの人たちや、そこからの説明を受けた、連携団体のリーダーたち、夏の世界フォーラムに出席した人等、ほんの一部だったことだ。しかし、団体ごとに乗った貸し切りバスの中や、出発前に各リーダーが、日本大使館前で抗議行動をする理由を説明したことと、大使館前でFRAPRUの人が2011年の原発事故のことから始まる丁寧な説明をしてくれたことで、強い関心を示し、私たちが持って行ったポスターを読んだり、道行く人に配るつもりで持って行ったビラを貰いに来る人たちもいた。
 私といっしょに歩道柵のビラ張りをした青年は、日本は2020年のオリンピックを止めるべきだ。原発事故から目を逸らすために使われているのじゃないかと話しかけてきたから、もちろん、その通りだと話した。「あなた達は私たちと同じ問題のために闘っているんだね」と、わざわざ、他の日本人参加者に言いに来てくれた人もいたそうだ。私にも「あなた達がまた、抗議行動をする時には私も出るよ」と、これは日本に滞在した経験のある、片言の日本語も話す人が言ってくれた。
 平日の、一日がかりの活動だったために、参加した日本人は私も含めて、たった3人だったのがとても残念だった。カナダの一般の人に少しずつでも、福島の現状を知ってもらい、関心を持ってもらうために、何より良い機会だった。それにしても、“住宅のことで大変な問題を抱えている”という、その一点だけで、FRAPRUが殆ど強引とも言える方法で、350人もの人を動員した抗議行動を日本大使館前で展開してくれた動員力と、コールの言葉から、ビラのコピーまで、準備万端整えてくれた行動力に、只々感心し、深く感謝する。また、一言の反対もなく、気持ちよくいっしょに行動してくれた、他団体の人や参加者全員にも心から感謝したい。

http://www.labornetjp.org/news/2016/1013ca/

2016年10月8日土曜日

思惑と願望が一致した犯罪:<避難解除>南相馬6例目1万967人対象






政府は、2016年7月12日午前0時に福島県南相馬市の一部に出している避難指示を解除。対象は同市小高区全域、原町区南部などの住民1万967人(3516世帯)。解除は福島県葛尾、川内両村などに続き6例目。
 解除エリアは避難指示解除準備、居住制限の両区域。帰還困難区域(1世帯2人)は含まない。市は今年4月の解除を目標に掲げていたが、除染廃棄物の処理が遅れたことなどから3カ月程度ずれ込んだ。
 域内では昨年8月から準備宿泊が行われており、今月5日現在で2004人(691世帯)が登録している。市は「年度内に3000人」(桜井勝延市長)を目標に住民帰還を後押ししていく。
 
 福島県内では6町村で住民避難が続く。
このうち飯舘村は帰還困難区域を除き、17年3月末に全域で解除する方針を固めている。浪江町は17年3月以降、富岡町は同4月以降の帰還開始が目標。大熊、双葉両町と、川俣町が8月末の目標を撤回した同町山木屋地区は、いずれも解除時期が定まっていない。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160712_61014.html